「高LDLコレステロール血症の治療」について

泉川病院 院長 泉川卓也

泉川病院 院長 泉川卓也 著
南島原市広報「南島原」2016年12月号掲載分

高LDLコレステロール血症の治療は食事療法と運動療法(生活習慣の改善)から開始します。効果がない場合はお薬を用います(薬物療法)。血液検査より薬が必要かを判断します。

食事療法
①肥満を解消し、標準体重を維持しましょう。標準体重(㎏)=身長(m)×身長(m)×22
②食事はバランスよく1日3回。        
③食物繊維は、コレステロールの吸収をおさえます。野菜やキノコ、海藻を十分に食べましょう。外食時は丼物やラーメンなどにはサラダなどをプラスしたり、定食を選びましょう。
④コレステロールは、動物性食品に含まれています。肉の脂身、乳製品、卵の摂取を抑え、魚類や大豆製品を適量食べるよう心がけましょう。

運動療法
有酸素運動でLDLコレステロール(悪玉)低下、HDLコレステロール(善玉)が増加、中性脂肪が減少、筋肉増加により脂肪が燃焼しやすい体に変化します。血圧を下げる効果もあります。1日30分程度の運動の継続が大事です。 

薬物療法
食事療法・運動療法でも改善ない場合、狭心症や心筋梗塞などのリスクがある場合は、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)と呼ばれる薬を中心にコレステロール値を下げる薬が処方されます。 LDL管理目標の把握が大事です、健診の結果をしっかり理解しましょう。

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